2021年7月18日日曜日

『言葉にできない繋がりを抱いて』あとがたり

 こんにちは。

 天草硝子という者です。



 当記事は、まんがタイムきららにて連載されている若鶏にこみ先生著『ぎんしお少々』の二次創作小説である、

 拙作『言葉にできない繋がりを抱いて』のあとがたりの文となります。


 まだ読んでいない方は、是非とも読んでいただけたら嬉しいです。お願いします。


 




 そもそもぎんしお少々の原作を読んでいない人は今この記事に飛んできた人の中にはいらっしゃらないと思いますが、

 そういった方は、今月の27日に発売するぎんしお少々第1巻をご購入して読み終えてから、改めて上記の小説とこの記事をご覧ください。



 てか一先ず単行本を買ってください。

 お願いします、ひじょうに。



Attention!!!


 この記事は202178日、丁度16,17話が公開される直前に書き終えております。

 最新話の内容により、小説の本編や、後述する解釈が自分の想定と異なっており爆発する場合がございます。

 そういった場合は追記で何かしら供述いたしますのでご了承ください。


 また、『作者の考え』がおいおいと記された内容となっており、

 読んでくださった貴方が保持している『読者の解釈』が、この記事を読んで捻じ曲げられたり、消失してしまう可能性がございます。

 そういった感性を大切にされたい方は、ブラウザバックを推奨いたします。


 あと、作者自身が主人公の木星紫の事を「木星」と呼び捨てにしている所があります。

 オタクがリスペクトを込めてそう呼んでいるだけなのですが、読みにくかったら申し訳ございません。()






 ここから先、(自称)ぎんしお少々を結構読み込んでいる人間が、

 ぎんしお少々を結構読み込んでいる方向けに(自己満足満載で)書いた内容となりますので、ご了承ください。



 ご了承しましたね?GO









・この作品が誕生したきっかけ



 さて、何故こんなオリキャラのドチャクソ独白まみれの小説が誕生したかと言われますと、

 きっかけは、ぎんしお少々本編のとある人物の登場に由来します。



「待ってて 塩原さん!」

「やっと、塩原さんに会える!」



 そう、14話(きらら6月号)で初登場した、若葉谷セツナです。



 早速一巻範囲外の話になるんで本誌を追ってない方を置き去りにしてしまうんですが、そういった方は20218823:59までにComic FUZできらら6月号を読むんだ。読んでください。(切望)



 さてこの若葉谷セツナという人物は、1巻範囲内である13話までに一応登場シーンはあったものの台詞は一切無く、

 性格どころか名前すらも判明されていない、所謂「モブキャラ」でした。


 そんなほぼ初出の人物が、急に「塩原さんに会える!」と既存の人物への大きな感情を抱えながら駆け出して来たのが、14話の始まりでした。



 ぶったまげました。

 突然こんな名も知らぬ人物のドデカい感情が現れて、読者の自分としても溜まったもんじゃありません。



 そこでまず浮かんでくる疑問といえば、編集部の柱コメントにもある通り『「まほろ」と「もゆる」がおりますが、どちらの塩原でしょうか?』というもの。


 ここで自分は、当ページの左1コマ目の後ろに風花かなめ(初出:12話)が登場していた事もあって、

 かなめの関連人物もゆる!!?と連想してしまい、

「もゆるさんに想いを馳せる人が!!、?!?!?!?!?しかも先輩って言った!!?!?!!?!!!?!???どういう立場の人物!!、?!?!?」

 と尚の事発狂してしまいました。


 結果それは自分の勘違いで、セツナが指していた「塩原さん」は姉のまほろであり、

 いつの間にまほろが遠くに行ってしまった事にセツナはショックを受けつつも、妹のもゆると交流を深めていっていい関係を設立していく…

 というのが14,15話の話の流れとなっております。

 それはまた別の話で。



 さて、ここからが本題。


 若葉谷セツナは「塩原まほろ」に思いを寄せていたわけでありますが、

 じゃあ、もし「塩原もゆる」に思いを寄せている人が居たとしたら。

 それはどういうシチュエーションで発生するのか??


 と疑問を抱き、研究し、

 こういう流れなら納得できるな、と一人でに連想に連想を重ねていった結果、

 当作品と、塩原もゆるに思いを寄せる人物:木星紫という人物が生まれました。





・塩原もゆるに、どう『憧れる』?



 さて、主人公が実際どのように「塩原もゆるに憧れる」ようになるのかを考えた時に、


 4話のもゆるの中学生時代の回想

「みんなが盛り上がっているからホントの事言えなくて 全然友達できなかったな」

 に着目しました。


 もゆるは「話したら相手を傷つけてしまうかも」と考えた時に、相手に本音で話すことができなくなってしまう、という心理が作中で見受けられました。

 この『本音で話すことができない』という心持ちを抱えてしまうと、作中34話の通り「何もかもうまく行ってない」状態になってしまいます。


 もゆるは「ホントの事言えなくて 全然友達できなかったな」と回想を浮かべていましたが、

 じゃあ、もゆるがこの状態になった時、本当に誰ももゆるにアクションを起こさなかったのか?

という疑問を抱きました。


 もゆるは結構感情を表に出すタイプであり、

それは作中で銀が「意識しないようにと心がけても「すっごい視界に入ってくる……!」と気にかけてしまう程です。


 これだけもゆるが目立っているのに、誰も「塩原さん」に深入りしないのはおかしくないか?と違和感を覚えました。


 というわけで、そこに着目し、

 塩原さんの悩みに気付きつつも、伝える事をせず、

「塩原さんは感情を表に出しやすいから、悩んでいる時も誰かが気づいてもらえる」と捉えて、

 そこを『羨ましい』と思う……

 と策定すれば楽しそうと考えつきます。


 なんか自分の頭じゃうまく伝えられないんですが、つまり、こういうポイントです。



(プロジェクトセカイ:ローディング画面1コマ漫画「口下手なふたり」 宇崎うそ先生)


いやこれもちょっと観点が違うかな



 結果、

「『本当の思いを伝える事ができない』というもゆると同じ悩みを抱えつつ、感情を表に出すこともできない人」

 として、

「一見外向的な性格ながらも、実際は他人の心に追及せず、感情を抑制し、体裁を保っている」

 という木星紫の性格が組み上がっていきました。


 また、もゆるに対する大きな執着心を残すため、

 『本当の思いを伝える事ができない』という同じ境遇を抱える塩原さんに対して安心感を覚えてしまい、

 「変わってほしくない」と想う心を手放す事ができなかった……という心情を保ち続けさせてしまいました。


 自分で作っておいてだけど、こんなにも思いを閉じ込めさせてしまって、なんというか、ゴメン。

 (でもやっぱり……こういうキャラクターが自分にとって『癖』なんだよな……



 木星紫の構成成分は、その心情に似通っている既存のキャラクターをなぞっています。

 大まかに浮かべた像としては以下の通り。


 外見・性格     … 椎名(幸腹グラフィティ)

 髪の長さ・口調   … 日野森志歩(プロジェクトセカイ)

 パーソナルスペース … 望月穂波(プロジェクトセカイ)


 皆さんもプロセカやってみて。キャラクターの生き様が本当に面白いから。





・木星紫(きぼし ゆかり)という名前



 もくせい?また珍しい名字を使っていらっしゃる

 と自分でもふと思いますが、皆さん、いかがでしょうか?(聞くだけ)


 もともと『塩原もゆるガチ羨望モブ』という立場なので、名前をつける程でも無いかなと思っていたのですが、

 本文がこの主人公の独白まみれになるんならば、流石に名前ぐらいは付けないとアカンなぁと思いまして、考えることにしました。

 かと言って名前の由来とか名付け方に特に宛があるわけでもなく……どう名付けようかと悩んでおり、

 そこで、『塩原姉妹以外の登場人物は名字に植物関連の単語が使われている』という観点から、一先ず植物を連想してみることに……

 したけれどもこれまた特に思い浮かぶわけでもなく。



 というわけで、奥義:花言葉を使う事にしました。



 『謙虚』『陶酔』『思い出の輝き』…

 …という、題材や主人公の性格に沿った言葉が花言葉として多く挙がっている「キンモクセイ」を捩って、

 モクセイ木星きぼし、へと変貌させました。

 ぶっちゃけて言いますと、太陽系の惑星である「木星(もくせい)」とは何の繋がりも考えていませんでした。


 ちなみに「木星(きぼし)」という名字は、全国におよそ10人いらっしゃる、実在する名字だとの事。

 『違和感ないけど、普段ではあまりない名字を付けたい』という、自分がキャラクターを名付ける時の一拘りに沿っていたため、即採用となりました。



 「紫」は、文字通り関わり合いや繋がりを示す「縁(ゆかり)」から形を変えたもの。

 そして、モクセイ科である紫のライラックの花言葉が『初恋』であったため。

 至極単純な名付け方ですが、エモーショナルが抑えきれなくなりそのまま名前にしてしまいました。



 また、これは関連の無い話ですが、

 この木星紫を生み出したのは5月半ば、14話が公開されて12週間程度の時だったんですが、

 それより後の15話に登場した、もゆるとセツナが歓談していた公園のモデルの方に巡礼に向かったところ、






 そこにはキンモクセイが植えられていたのです。


 これは撮影し終えて加工・編集している時にふと気付いて、

 「!!!?!?!?!?木星じゃん!!?!?!!?見守っとるじゃん!!?!?!?!?!!?!」

 と発狂していたのは自分だけの話。


 皆さんも公園に行って、巡礼ついでにキンモクセイが佇んでいる様も眺めてみてはいかがでしょうか。(纏め方が雑)





・『塩原もゆる』の考察、木星紫との相違



 さて、当作品の主人公:木星紫はもゆるの中学校の同級生という立場の元作成していったわけなんですが、

 課題となっていたのが、中学校時代のもゆるの姿を推測して生き姿を記すという事。


 4話の回想「全然友達できなかったな」や、14話の銀との会話「他の友達かもしれないし……「その可能性は多分とっても低いです! 思い当たらないのでっ!」から、

 もゆるは『中学校時代友達がいなかった』と読み取れます。


 しかしいくら友達がいなくとも、クラスメイトや先生など、何かしら会話をする機会は学校生活で必ず生じます。


 そこで浮かべた疑問、


 もゆるは、いったいどの程度他人に砕けた会話をすることができるのか。

 木星紫というよく話しかけてくれるクラスメイトに対して、どのような応対をするのか。


 4話の回想、13話の先生との会話、14話の先輩方との会話。

 色々と参考にしましたが、これだ!という明確な答えは見つかりませんでした。


 15話まで見てきた中で、

 もゆるは他人と話す時『上手に話そうとしても、相手は変な風に捉えられてしまい、抑制してしまう』んだ、

 と一先ず心理状態を策定しました。


 初めはchapter2のすぅちゃんのくだりも無く、木星はもゆるが見せた明るい表情だけに見惚れて思いを寄せる、という流れでしたが、

 流石にもゆるさんはネコの話とかしたがるよなぁと考えて付け足しました。


 また、もゆるはそこまで親交が深くない他人相手との会話では、簡単に打ち解けることはできず、控えめな言動をとりがちですが、

 「すぅちゃんに似ていたので」「お姉ちゃんの知り合いだから」「写真に詳しいから」と自分の生活や趣味・嗜好と関わりがありそうな人相手には自分からグイグイいく傾向にあります。


 もゆるにとって木星は『よく話しかけてくれるクラスメイト』でしたが、それ以上は何の感情もありませんでした。

 それは、木星の外面的な趣味嗜好にもゆるは何の関わりも無かったほか、

 『本当の思いを伝える事ができない』という共通点も木星は隠したまま過ごしていたため、もゆるが気付く余地は一ミリとも無かったというわけです。


 結果として、

 『木星が悩みを隠していたために』、

 もゆると木星の繋がりは絶たれてしまいました。


 その真実を聞いて、ショックを受けるのかどうか。

 木星は知る由もありません。



 ぎんしお少々本編に拘らず、前作の放課後すとりっぷもそうでしたが、

 若鶏にこみ先生は『気を遣って思いを閉じ込めるよりも、素直に想いを伝える』ことの重要さを作品に乗せて描いている、

 と一読者である自分は解釈しています。


 作中でカメラに対して見せた思いに重ねて、

 もゆるは、上手くいかないことでも、気に留めて行動を止めたりせず、そのままの自分の思いを出すことが大切だと気付きました。

 その結果、藤見さんとのすれ違いは解消し、仲が深まっていったのです。


 対して木星は『思いを主張しないことが、他人にとっていい結果となる』という思考を第一として手離すことができなかったため、

 思いを寄せていた塩原さんとの関係は、このような結末となってしまいました。



ーーー『いつか、繋がっていたその先に』。


 木星が抱えていた『もゆるとの繋がり』は、断ち切られてしまいました。

 『塩原さんは、想いを伝えられる相手を見つけられたんだね』

 いつか、木星にもそのような相手が見つかるのでしょうか。

 或いはもう、そういった人はすぐ近くに居るのかもしれませんが、

 それは今回語られる事のない、未来のお話。





・もゆるのバイト先について



 当作品を書くにあたって、


「もゆるさんが銀さん相手にとても楽しそうに話している瞬間を木星が目撃して、絶望させたいなァ……


 とあらかじめ結末を策定していたのですが(極悪)、

 さて、特にストーキングしているわけでもない木星が、いつ、どうやってもゆしろの姿を観測するか

 と考えていた時に注目したのが、12話のバイト先の店長さんの「本当に仲良いという言葉でした。


 「本当に仲良いと思える関係を、側から見ることができる場所。

 丁度この場面に、木星を居合わせる状況を作ればいい。

 というわけで、『木星がもゆるのバイト先に訪れて、久々にもゆると顔を合わせる』という話の流れにしました。


 しかし、もゆるのバイト先の細かい情報は判明されておらず、

 銀の「コーヒーのお店」という発言やお店の外観から、喫茶店・コーヒーショップだと設定を確立していきます。


 13,14話より、作中の背景から実際にある店舗を調べた結果、そこはコーヒー屋ではなかった事や、

 店舗の外観や内装はタリーズコーヒーがモデルとなっているかも?という有志の意見から、

 『モデルの場所にはタリーズコーヒーのようなコーヒーショップがあり、もゆるはそこでバイトしている』

 と想定して、場面の流れができあがりました。


(若鶏にこみ先生がTwitterのフリートに『ぎんしおは「実在している所」と「してない所」が半々ぐらいです。たぶん。』と書き残しており、そういった少々の修正がある事を客観的に受け止めて反映しました)



 さて、木星がそういったお店を訪れるのに必要なのは誘導してくれる方。

 というわけで、名前もありませんが、それぞれ一応役割を持ち、今の木星を近くで見てくれる友達が誕生しました。


 以降は本文の通り、何も知らない人が語る客観的なもゆるの姿や、それに対する木星の心情…… 諸々が繋がっていきました。


 やあ、今更見返してみたらやっぱり友達との会話が冗長な気がしてなりませんすいません。

 読み込んでくださった方に改めてお礼を言いたいです。ありがとうございました。


 (というかこのあとがたり文自体大分冗長なんだよなぁ……要約する能力が無い……日本語がHETAKUSO……



 以下余談、話を構成している途中で困ってしまった要素について。


 まず1つ、chapter4で木星の友達グループ4人のうち、日暮里周辺に住んでいるのは木星だけであるため、

 友達をどうやって日暮里にまで誘導するのかという問題。


 初めにもゆるの働いているお店を『個人店』だと設定して、グルメっ子が「ここのコーヒーが美味しいらしい」と興味を寄せて、じゃあ行こっかぁ!という流れを作っていましたが、

 「あっ……これ、実際タリーズのようなチェーン店でバイトしているとしたら、日暮里まで来る意味無いのでは……?」

 と思い立ち、戦慄してしまいました。


 12話でかなめ先輩が鈴と久々に会った場所が秋葉原もモデルにしていた事もあり、セツナ、かなめが通っている高校は上野よりも南に位置していそうなので、

 実際上記の通りタリーズのようなチェーン店の商品が目当てならば、わざわざ日暮里まで行かなくても良くなるのでは……?と考え、

 チェーン店だった時には保険として「景観が良い」という謎設定を付けようかなァ……など考えながら、最新話を待ち構えております。


 後に(まほろ×店長の妹さんの回想イベントとか(希望的観測))お店についての詳細な情報が発表された際、

 もしチェーン店だったら、もしそこまで景観が良いとかそういう訳でもなかったら、

 潔く爆発して、黒歴史として残していきたいと思います。



 そしてもう1つ、木星たちが長時間お店に居座って勉強していた件について。


 これは先ほど話した想定の通り、『宿題を済ませるために友達と集まる』『閉店間際まで居させる』『一度出たものの、銀に連れられて戻って、もゆしろの仲の良さを木星に目撃させて絶望させる』という流れのもと、長居せざるを得なかったわけなんですが、

 一度日暮里駅前のタリーズコーヒーに訪れて焼きリンゴクリームチーズパイを食べた際に、店員さんから、

 「居座って良いのは2時間までです」

 と言われてしまい、その瞬間「あっ…………(破綻)」と放心してしまいました。


 回転効率上げるためにもお店として当然の手段ですし、納得と同時に反省してしまいました。

 そもそも1つの店舗に4時間半も長居するのはやり過ぎましたね。すいません。

 読み直して今更ですが、同じ店でおかわり……をするのはあまりにも女子高生の像に纏わなさそうで、過去のものにしたくなります。


 じゃあ実際、現代の女子高生が友達と勉強会などで45時間消費する際は、一体どの場所を使うというのでしょうか。

 同じような店をはしごするか?カラオケボックスとかの方が逆に落ち着くか?一人の家や図書館とかに集まるのが普通なのか?

 自分の頭の中で考えを巡らせただけでは、全く事実も分かりません。

 勉強して知見を得るべきなんでしょうが、その情報を得た所で理解は得られても、完全なる納得はできないのでしょう。私は現代の女子高生では無いのだから。

 女子高生 難し……(これが言いたかっただけ)





chapter3で、鈴たちを登場させた理由



 構想を始めてから、中学校時代の出来事でもゆるへの想いを募らせて、進級後に再会し、その繋がりを断たせるという流れが確立されたわけなんですけれども、

 その途中で不意に、chapter3の内容が頭に思い浮かんで、そのまま書き連ねてしまいました。


 なぜ、もゆるが全く登場しないchapter3を作ったのかというと。



 理由は……なんとなく出してみたかったからです。


 いや本当に、

「ここで鈴さんとの繋がり持たせておくの面白そうじゃない??」

 っていう好奇心の元からchapter3が誕生しました。



 まあ他にも、本来はchapter2の次がそのままchapter4となっていたわけなんですが、間も置かず突然進級させるのもなぁ〜と思い、一段落置くついでに、

 『未だに繋がりを求めてしまう』といった木星の心情の継続具合や、

 鈴相手に抱える『感心』が、もゆる相手に抱える『憧憬』とは全く違っている所など、

 木星の性格や感情をより明瞭に示していくパートとして活用させていただきました。


 あとそう、アレ。

 鈴は『塩原もゆる』さんについて調べていた際に、もゆると同じ中学校だった木星と繋がりがあったにも関わらず、情報を乞いた相手はかなめ先輩だった

 と、間接的に鈴×かなめの繋がりの強さを主張させるという狙いもなくはなかったり。()

 後付けではありません、ガチです。


 まあ木星の心情にしか関わりが無いと言いつつも、

 chapter4で『すれ違った銀髪の少女に、見覚えがあったから、ふと気になってしまった』

 という物語のクライマックスに結びつく動機を与えてくれたから、それで良しとしましょう。(自己解決)





・木星の知らない、ぎんしお少々の世界



 chapter4で木星が、


「いくら考えた所で、自分には考えたまでの推論を出すことしかできない。

 これ以上気にかけたところで、塩原さんの心境を知る由は全く無かったんだ。」


 と話していた通り、

 もゆるがどうして変わったのか、銀という『思いを伝えられる相手』とどのように知り合い、今のような距離の近さに至っているのか、

 木星は全く知らないのです。



 「あの子の何が、塩原さんを動かしたのか?」

 

 ⇒

 「すぅちゃんに似ていたので」なんだよなあ…………



 もゆるが重度ねこ教である事は、木星もなんとなく分かっていましたが、

 まさかそれがきっかけだなんて、木星も思いもしないでしょう。


 それどころか、もゆるを変えた最大の理由であるフィルムカメラについても、木星の視点では全く登場せず、

 (一応カメラ要素として…『スタグラ』を出してみたりも…しましたが…)

 本当に『今の塩原もゆるを全く知らない人物』として、意識して動かしていきました。


 …これこそ本当に独りよがりな楽しみ方なのですが、

 ぎんしお少々本編と読み返して、これは木星が知りえないポイントだなあ…という所を見つけていくのもまた楽しいものです。

 そういう「観点の欠如」を意識して作ったのは、放課後すとりっぷを読み込んでいた事が由来しているような、そんな気がします。


 ぎんしお少々含め、若鶏にこみ先生ワールドに触れたい方は、是非とも前作の『放課後すとりっぷ』を読んでください。お願いします。




・謝辞と販促



 さてさて、毎度改めてとなりますが、

 この度は当作品と当記事を読んでくださって、本当にありがとうございました。

 散々「自分は〜」「自分の」などと主人公の木星紫に自分語りをさせまくったり、特に終盤、全然綺麗に纏まらなかったり……

 ホンマに拙い出来だなぁと、今読み返して痛感しています。


 今まで自分はオリジナルにしても二次創作にしても、物語を結末まで書き上げて、それを作品としてweb上に掲載する、といった経験をした事がありませんでした。

 なので実質、この作品が文書き:天草硝子の処女作という事になります。



 いやぁ……本当に最初は「塩原もゆる羨望モブを書きたい!!!!!!」という思いから衝動的に書いていたのですが、気づいたらこれ程の長文になっているとは。

 放課後すとりっぷ1巻巻頭の描きおろしエピソードにて、

 林檎さんが「切り取りたい」「これを早く! 描きとめないと……!」と咄嗟に感じ取ったような、

 そんな「衝撃」を受けて、筆を取り始めました。


 初め感じ取ったその気持ちは何よりも大切で、気持ちを心にしまい込んだまま置き去りにせず、その感情を残す事で、後々にも「良い思い出」として残す事ができます。


 自分は毎月、ぎんしお少々の最新話を初見で読む時には毎回録音をし、初めに感じ取った気持ちを最大限発現して、後に文字に起こし、物語の変遷の一部として今も楽しんでいます。


 そう、何かしらの出来事と、そこから発生した気持ちを記し残す事。

 これが、ぎんしお少々に込められている一つの大きなメッセージなんだ、と自分は感じています。



 ここまで読んでくださった皆さんならもう、ぎんしお少々の一ファンと言って間違いないでしょう。

 そんな貴方ならば、ぎんしお少々について感じ取ったことを思いっきり書き記すことができるはずです。


 自分のような日本語が下手くそな人間でもこれだけ書けたんですもの、熱意(とあと時間と体力)があれば何かしら書き留められるものです。


 「良い」「すこだ……」でも全然構いません。ぎんしお少々に対する熱を、思ったままに世界に放出していきましょう。

 それが、『ぎんしお少々』という作品の存続に繋がるのだから。


 あっでももしぎんしお少々がめちゃくちゃ隆盛してしまって、素晴らしい解釈がバンバン出てくる世の中に圧倒されて、「自分はずっと昔から追って主張してるんすよ」とか拗らせてるオタクになってしまったらどうしよう。

 自分の立場や心情はともかく、そんな状況になるまでに作品が成長するなら万々歳ですね。



 とまあ、また冗長な文章になってしまいました。すいません。

 自分の文章をここまで読んでくださったのも勿論嬉しいですが、ぎんしお少々の世界が広がっていく事の方がやっぱり何倍も嬉しいです。



 というわけで。


 ぎんしお少々第1巻は、2021727()発売です!!


まんがタイムきらら - 作品紹介ページ - まんがタイムきららWeb (dokidokivisual.com)



 (にこみ先生がご謙遜なさってあまり「買ってね」と仰られていない分、)

 思いっきり叫びましょう!!




 買え!!!!!!!!!!!!!!!

 重版しろ!!!!!!!!!一先ず2巻の壁突破させろ!!!!!!もうこのペース(1巻毎に作中で1ヶ月経過)のまま高校卒業までやってしまえ!!!!!!!!!!目指せ36巻乙!!!!!!!(???)





 以上、ぎんしお少々が隆盛して末永く続く事を願いつつ、

 『言葉にできない繋がりを抱いて』加え、このあとがたりを完結とさせていただきます。

 改めて、閲覧ありがとうございました。












 ここから、16,17話を読んだ上での追記。



 風花かなめさん……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


 まあ、それは置いておいて。


 当作品が本編の内容に抵触していなかったか、改めて確認していきます。





・若葉谷セツナが「受験に失敗?」していた件について



 17話にてまほろから、喫茶店に通っていたセツナについての思い出が語られました。

(若葉谷!!!!!!!覚えてもらってて良かったなぁ!!!!!!!!!!!!)

 そこで、衝撃を受けた発言が一つ。


「なんかねえ。受験に失敗?しちゃったみたいでね。」


 エ…………………


 何を言いたいかといいますと、

 木星が「第一志望」としていたり、塾通いの子が猛勉強してなんとか受かった今の高校に、若葉谷セツナさんは「滑り止めで受かった」と読み取れる状況が生まれたわけです。


 いやまあ公立私立だの受かった受かってないだの発言の破綻は無いのですが、

 自分は『風花かなめと若葉谷セツナはかなりレベルの高い高校に通っている』事を前提に、

 『将来像はまだ空白だけど、頭は良い』という木星紫をその高校に通わせようとしていました。


 それで、若葉谷セツナさんがそういう状況だったとなると……木星や塾通いの子の学力レベルが、ほんの少し下がってしまうのではないかという懸念が。


 まあでも、若葉谷セツナさんがアホほど高いレベルの高校を狙っていたとしたらなんら問題はありません。


 『偏差値』など目に見える項目が出されたら話は別ですが、

 「入りたかった高校と今通っている高校のレベル差」等について、一先ずは大した話題にはなり得なさそうですし、この話はここまで。





・風花かなめ中学校時代黒歴史説について



 風花かなめさん……………


 17話にて、セツナの自室に居着き、セツナが「これは私の執念の勝利よ……(くおお)」と騒ぎ立てている傍ら、無表情で本を読んでいた風花かなめ。


 夜に、セツナさんとやけに近い距離で、やけに塩対応で

 そして、


「セナ母とは仲ええし

「かなり才能あるわよ 出会ってひと月ちょっとの人間の家で こうなれるのは」


「何その顔」

「傷ついた顔」

「いや、完全に無だったわよ」


 若葉谷セツナさんとの意味深な会話………



 自分は、若葉谷セツナが初登場した時以来の衝撃に打ちのめされてしまいました。



 この情景を見て、様々な考察が頭で繰り広げられて未だにまとまった感想文を書けずにいますが、

 その中で1つ、以前より自分が頭の中だけで思い立って展開していった説を一つ、紹介いたします。

 それが、「かなめちゃん先輩さん中学校時代黒歴史説」です。()



 これは、12話で初登場した風花かなめさんのインパクトに圧倒されから注目し出して、鈴との会話で見出された


・塾に通っており、忙しい

・頭の回転が早い

1つ下の人からも、学年が気にならないくらい接しやすい存在として扱われている

「雰囲気あって」「話しかけにくかった」もゆるに、「うちとちょっと似てる」と思っている


 という観点から、

 「何か本音を隠してないかな……」と希望的観測を抱いた自分がそれに導かせようと、ほぼこじつけに近い内容ながら立てている論です。


 文字通り、『中学校時代の記憶を置き去りにして、今を過ごしている』と読み取れそうなポイントを探って奔走しているのですが


 一先ず、14話までに浮かべたポイントが2つ。



12p.1011、回想


 17話まで掲載されている中で、唯一描かれている「中学校時代の風花かなめ」の姿。

 『霊感少女』と呼ばれていたもゆるの姿を遠目に見ており、どこか気にかけているような表情が見て取れます。


 そして今のかなめと一番違うポイントは、ポニーテールをしている所。


 いやまあポニーテールである所に深い意味があるかは分かりませんが、

 『中学校時代から髪型を変えた』という所に、何か意味が込められているように感じてしまいました。


 現在のドーナツ型含め、かなめの髪の毛についてはまだ何も話題になっていないので、これはオタクの一考察材料として保留してあります。



14p.1132、セツナの「塾の知り合い?」という発言


 14話にて、もゆしろがかなめ&セツナの2人と顔を合わせました。

 そこでセツナは、一緒に居る状況の中自分の知らないかなめの後輩が現れて、すぐさま「塾の知り合い?」と尋ねました。


 何故『今通っている高校の後輩』ではなく、そして『中学校時代の後輩』ではなく、「塾の知り合い」だと思ったのか。



 セツナが『高校の後輩ではない』と認識したのは、かなめの友人関係を把握していたという可能性もありますが、

 それ以前に「制服を着ていなかった」所を見て、他校の後輩なんだと判断したのかな、と考えられます。

 (かなめやセツナ(あと木星ら)が通っている高校は土曜授業があり、作中で15話は土曜日の話であるため、同じ学校の後輩ならば土曜日の昼間の時間帯からアルバイトはしておらず、じゃあ他校の生徒なんだと認知した、という流れです)



 じゃあ、『中学校時代の後輩』が先に出てこなかったのは何故なのか。


 ここに関しての情報がまだ出てこない分、「塾の知り合い?」が先に出てきた事に大きな意味があると考えています。



 ここからはホンマただの妄想なんですが、


 『風花かなめは、中学校で親しい友達が出来なかった分、塾や高校で「かなめ先輩」というホワーとして接しやすい人間を演じており、

 そんなかなめの裏の姿を、若葉谷セツナは知っている』

 ……という風に考えれば、セツナが「塾の知り合い?」と即座に話し出したのにも納得がいく。



 と考えて浮かべたのが、「かなめちゃん先輩さん中学校時代黒歴史説」ですが、いかがでしたが?(投げ捨て)



 14話まで、そういう『裏の姿』がかなめから読み取れる、というシーンがあるわけでもなく、

 (強いて言うなら、12話の「写真、撮りません?」という鈴からの提案を否決した所、14話で「カメラと発した際に表情を少し曇らせた所から、写真に対して何かしら負の思い入れがありそう〜な気がするこれも妄想ですが)

 ただ感情を隠していて欲しい〜というオタクの押し付けがましい念で設立していた説なのですが、

 17話を読み終えた今、この説が一気に濃厚になってしまったような、そんな気がしてなりません。



 そこで、当作品に接触するポイントと言えば、

 「木星が思い浮かべる、風花かなめの姿が全く分からない」

 という事。


 木星は中学校1,2年の頃に風花先輩を見た事がありますが、

 もし、この説の通り、『中学校で親しい友達ができなかった』ため、『「かなめ先輩」を演じている』としたのなら。

 鈴が思い浮かべる「かなめ先輩」の姿と、木星が思い浮かべるそれは、全くの別物という事になります。



 というわけで、当作品の台詞に木星が風花先輩の事を「関西弁だったよね」と話していた場面がありましたが、

 『変な関西弁を使う、ホワーとした先輩』ではなかったとしたら、この台詞が破綻してしまう……

 と考え、修正いたしました。



 やあ…………

 かなめ先輩が何者なのか、今後のぎんしお少々の展開に何かしらの影響を与えてくれる事は間違い無いでしょう。

 もしかしたら中学校時代の風花かなめは、木星のように『思いを閉じ込める』ように過ごしていたのかもしれません。

 いや今でもなお、表で振る舞う『かなめちゃん先輩さん』の裏側にある『風花かなめ』は、思いを隠しながら日々を過ごしているのかもしれない。

 そう思うと、ドキドキとワクワクが止まりません。


 若葉谷セツナさん、どうにか風花かなめさんを救っておくれ……………………






・にこみ先生が怪文書を書いてくださった事への謝辞





 ………い〜〜ーや、めっっっっっちゃくちゃ嬉しいですね…………………………

 ホンマ…………先生がリアクションしていただいたってだけでも恐れ多くて心拍数高まるのに、

 しっかりと読み込んでいただいた上に、中々の怪文書を提示なされて、めちゃくちゃ褒めちぎっていただいて……

 こんな嬉しい事、生まれて初めてかもしれん。


 読解力、文字起こし能力の乏しさから、物語を完全に理解するためにめちゃくちゃ時間を消費してしまう所、

 そしてフットワークがドチャクソ重い所から、

 最近の人生の4割ぐらいぎんしお少々に費やしているので自ずとそうなってしまうんですが、

 世界に3番目まではいかずとも、25番目ぐらいにぎんしお少々を読み込んでいる自信は正直あったので、

 先生から直に認められた事が、日々の行為が報われたよう感じて「生きてて良かったーー……」と咽び泣くばかりです。




・木星のキャラデザ



 一応、外見の構成成分は上記の通りとなっているのですが、

 実際にモデルを作ったというわけでもなかった(カスタムキャストを使った、それとな〜いものしかできていない)ので、

 にこみ先生が「やりてえなユカリちゃんのキャラデザを(最悪だ)」と仰っているのを見て、



 やってください!!!!!!!!!!

 お願いします!!!!!!!!!!!!

 むしろskeb申請いたしますのでどうか!!!お描きになってください!!!!!!

 木星紫を!!!!!!!!世界に!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 いやそれでも滅茶苦茶恐れ多くて実行に移すかも分かりませんが、単行本作業などが落ち着いた頃合いにこっそり申請みようかな……とか思っています。





・「確かに若鶏にこみが描きそうな内容」について



 これは……

 若鶏にこみ先生の作品は、放課後すとりっぷとぎんしお少々は穴が開くほど読んでいる自覚はあるんですが、

 二次創作含め他の作品は、読んだ事はあっても深々と研究した事はなく、

 特に「にこみ先生が描きそう!」と意識して書いていたつもりはありませんでした。

 というわけで、木星は完全に私の性癖です。大変ありがとうございました。



 ただ、にこみ先生は「きららナイズされてハッキリ描かなかった感情」を、

 「いつも本気でセーブしている」と仰っていますが、

 読んでいて、この人物からはそういう感情が垣間見える……と、

 読み手側に色々な心境を考察させてくれるのが、にこみ先生作品の「味」だと思うんですよ。


 てか往年の七瀬六花さんとか今月の風花かなめさんとかにバリバリドチャクソ奥深い感情がある……っていうのが読み取れますからね、

 そんじょそこらの作品とはそこが違うんですから、読者も染みつきますよ。

 てかむしろ、にこみ先生作品を読みちぎったからこそ、そういう『邪悪』な感性が身に付いていたのかもしれませんね。はい。Happy End…




 以上をもって、本当にあとがたりを終了とさせていただきます。

 ここまで読んでくださった貴方様へ、本当にありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿