2020年1月24日金曜日

放す2巻発売記念.②:まだ明らかになっていない要素


 こんにちは。


HN.天草硝子というものです。

普段はツイッター( https://mobile.twitter.com/SpiraLmeyby )にて色々垂れ流しています。





「私の性欲を好いてくれてありがとう…」、まさかのキャッチフレーズ化



今月127日に、放課後すとりっぷの最終巻となる第2巻が発売されます。

 きらら、というメディアから放課後すとりっぷの情報が提供されるのもこの2巻発売によって完全に終了することになります。(にこみ先生が同人で出す未来とかあるかな……)

 放課後すとりっぷに関する様々な考察も、この2巻発売によって最後の答え合わせが行われることになります。


しかし、まだ2巻が発売していない今だからこそ積み重ねられる考察があるわけです。




(ここまでテンプレでした)







というわけで、前回の記事に次いで今回のテーマはこちら。



・まだ明らかになっていない要素






 今回は、放課後すとりっぷの作中でまだ明らかになっていない要素について振り返り、考察していきます。


 

 前回の記事で、作中のすれ違い要素が複雑で『誰が誰の何を理解しているか』を理解しきれずにいた、「分からない…」という感想をネット上で見かけた、ということを紹介しました。

 若鶏にこみ先生も「地獄のようなすれ違い劇」と述べている通り、全体を一目通しただけでは簡単には理解できない内容です。

しかし、ある程度のすれ違い要素は作中で見られる範囲で解消されています。
 


というわけで、作中のすれ違い要素を総復習していきましょう!…

…と思っていたのですが、リアルの方で時間が足りなくなってしまいました。

 


 すれ違い要素の総復習は2巻発売後にも可能ですので(記事を描くかどうかは別として)
 今回は、まだ2巻が発売していない今だからこそできる考察…
 最終回を迎えた今でも、未だに明らかになっていない要素を考察していきます。







(ここからちょっと口調が『だ』『である』に変わります)






錯綜した二人の想い



 さて、放課後すとりっぷの作中で、最終話を迎えた今でもまだ明らかになっていない要素がある。それは……




    高校に入ってから小梅先生のところだけではなく、高校の美術部でも絵を描いている理由


    あかねが六花に拒絶した物事、またその理由


   六花が『絵を描くのは諦めた』理由と、「そう決めたのは 私のため」の意味




この3つである。散々口酸っぱくして言ってましたが…






23話の六花の回想にて、六花とあかねのすれ違いの原点となる六花の思い込み「私なら側にいても良いって 勝手に思っていた?」が生まれた。

ここから最終話に至るまで、六花は「他人が側にいるとあかねは絵を描けない、自分もその『他人』の一人だったんだ」と思い込んでいた。

しかし、最終話であかねが「また六花と… 一緒にいられるかも…しれないし…」と発したことにより、
「一緒にいられない」と思い込んでいた六花の思い込みが撤回。大撤回。
「何でも書こう!」と六花が正面から向き合い、昔と同じような関係に戻ったと思われる。


回想部分を含め、六花とあかねには様々なエピソードがあった。

その中で未だ明らかになっていないのが、この3つである。





    高校に入ってから小梅先生のところだけではなく、高校の美術部でも絵を描いている理由





まず、21話のあかねの回想より。

六花とあかねが中学3年生の頃、現在通っている高校へと進路を決めたあかね。
5話の林檎,,みことが学校見学目的の文化祭で名前を出した『県立』と同じく、林檎の母親…小梅さんの母校である美術が有名?な高校で美術をやろうとは考えずに、
今後も小梅先生のもとで絵を描いていくととれる発言をしていた。


次に5話。

林檎の回想として、林檎,,みことが学校見学に、『私立』の高校の文化祭に訪れた。
林檎は美術部の「小さい方」の展示を描いた「秋映あかね」の存在が気になり、突き動かされたように私立への進学を決めた。


最後に25話。

六花の前で放課後の活動をすることになった林檎。
書かれる側は脱いで下着になり、いざ活動となった時にななと六花が
「そういえばさっきあかねちゃんと会ったよ」
「え?ええ、いつ 今日あいつ教室じゃないか?」と話した。
「今日は公民館お休みだと思うよ?」から、あかねがこの空間に介入する事態を考えて「めちゃくちゃ 今、やばくないか……?」



 これより、あかねは『私立』に入ったにも関わらずに、高校の美術部に入部し絵画教室と両立している、ということが分かる。

しかし、この状況に至ったきっかけは何も示されておらず、空白のまま最終話を迎えたのだった。



さて、どのようにしてあかねと六花は美術部に所属することになったのか。




これについて明確な情報は未だ無いが、舞台背景からある程度の理由が推察できる。


まず、5話の高校の文化祭の回想から。
あかねの絵(小さい2つの)を見た時、柚は「入口の旗の装飾もこの人じゃないか?」と発した。
実際、旗の装飾もあかねが担当していたのだろう。

次に7話では、あかねの描いたものとして欲しがった林檎が、昨年の球技大会のポスターをもらっていた。
即ち、昨年の球技大会のポスターをあかねが担当しているということが分かる。

そして再び戻って5話の、あかねにフラれた林檎に六花が話しかけた場面。
六花は林檎に「学内企画のポスターとか、毎月色々で この美術部は忙しい… 好きな絵を描く暇があんまりない」と話した。


これらの状況から見るに、美術部はあかねにおんぶにだっこな状態であるということが推察できる。


六花が絵をやらなくなった今年はまだしも、昨年はあかねが1年生であるにも関わらず、様々な学校の備品の装飾をあかねが担当している。

そういう経緯から見るに、美術部は元々部員が少なかったのではないか、と考えられる。



以上の条件を鑑みたうえ、私はこのように考察した。



・あかねは予定通り小梅先生のところで絵を描く予定だった。

・しかし、部員が足りなかった美術部側が、美術を習っていたあかね(と六花)の美術部への入部を熱望させた。

・部員も少なく(もしかしたら部員がいない状態だったかもしれない)、六花とあかねは、あかねでもここなら静かに作業できそうだと判断して、入部した。

・六花も当然のように入部。


こういった経緯であれば、過去の発言と背反している現在の状況について納得することができるだろう。






    あかねが六花に拒絶した物事、またその理





 6話にて、美術室に来たけれど絵を描こうとはしない六花に対して、
 あかねは「私が拒絶したとは言え 別に今に始まったことじゃない 六花は、今年からぱったりと絵をやらなくなった」と心の中で呟いた。



これより、六花は今年に入ってから絵を描いていないことが、

そして、過去に「あかねは六花を拒絶した」という出来事があったと読み取れる。




また、5話の回想のみこと「大きい方はともかく」と、21話のなな「でもお姉ちゃんヘタだよ?」から、

美術部の展示の「大きい方」はおそらく六花が描いたものだろうと推察できる。

即ち、文化祭当時は六花もまだ絵を描いていたと思われる。



 林檎たちが入学してきた『今年』からぱったりと絵をやらなくなった六花。

 その理由には、あかねの『拒絶』も多少は関与してくるだろう。



 さて、あかねはいつ、どうして六花を拒絶したのだろうか。




 まずは、六花の何を拒絶したのかについて。

 6話の「私が拒絶したとは言え」の前のコマにある「居るくらいなら別にいいだろ?」「(描きにきたわけじゃない、か…)」より、
 おそらくは『六花が美術室で絵を描くこと』に関連していると思われる。



 すぐ下のコマの「(寂しいなんて思ったらいけないけど)」や、
 17話での「(また絵を描いてくれるんだ……)」
 21話の「ああいう空間は もう二度と作れないんじゃないかと 少しおもう」では、
 あかねの「また六花が絵を描いてほしい、一緒に描きたい」という本心が読み取れるが、
 その想いとは対極にある出来事である。


 こういった背景から考えると、あかねが拒絶した時には、

『六花が美術室で絵を描くことに対して、あかねは何かしらのわだかまりがあった』のだと考えられる。

 


 そのわだかまりとは何なのか。

関与してくるのが、『六花が絵を描かなくなってきたこと』だろう。



あかねの「別に今に始まったことじゃない」は、六花が絵を描かなくなってきたことを指している。


 23話の回想で六花が「もういらないかもしれないな」と言っていた頃から、あかねとすれ違いの溝が深まっていくのと同時に、六花が絵を描くことに対する執着が薄れつつあるのが分かる。

 あかねもその事実を徐々に知りつつ、「なんとなく居心地がわるくなって」いった中で、高校へと進学したのだろう。




さてここから、六花とあかねが高校1年生の時の出来事について、読み取れる範囲で記していく。


 ・六花は「私なら側にいても良いって 勝手に思っていた?」というすれ違いを継続している。

 ・『私立』の高校に入学、二人とも美術部に所属することになる。

 ・二人とも、文化祭にて絵を展示する。

 ・あかねは『旗』『生徒会のポスター』など、様々な学校の備品の装飾を担当していた。

 ・六花はランジェリーショップでアルバイトを始めた。理由は表向きには「進学費」

 ・六花は今年に入って、「ぱったりと絵をやらなくなった」。




 この時系列の中から、拒絶したタイミングを考えたところ、
 六花は文化祭にて絵を展示していたため、おそらく文化祭の後だろうと推察することができる。


 文化祭が開かれた時期は、


・文化祭最中の高校生の制服が春と同じである⇒夏には開かれていない

・鎌西(林檎たちの通ってた中学)の制服も夏服ではない

・美術部でのあかねの作業量が多い


といった要点から、9月~12月頃であると推察できる。

即ち、あかねが『拒絶した』時期も9月~12月頃だと考えられる。


 

 最後に残るのが、『どうして六花を拒絶したのか』について。




 この要点は次の項目に関連してくるため、下記にまとめていく。

 



   六花が『絵を描くのは諦めた』理由と、「そう決めたのは 私のため」の意味



 17話にて、物憂げな表情であかねとの出会いの回想にふけていた六花
「(懐かしいな… もう5年以上も前の事なのか)」



 置いてあった飲み物が冷めていることに気づき、温めなおしにいった時に、六花が発した

 「あれから中学があって 受験があって… …私は絵を描くのは諦めた 描くことがいやになったわけじゃない そう決めたのは 私のため」

 というモノローグ。




六花が絵を描かなくなったことについては、上記の通り、

『あかねとすれ違いの溝が深まっていくのと同時に、絵を描くことに対する執着が薄れてきた
という心情の背景によるものだろう。




しかし、ここで六花は「絵を描くのは諦めたと示している。


「諦めた」という言葉は、見込みがない、仕方ないと思いきることであり、

ここでは絵を描くことに対しての馳せる思いや興味などの未練が残っている、という意味合いが読み取れるだろう。



また、「そう決めたのは 私のためという台詞でも引っかかる部分がある。


六花が絵を描かなくなってきた原因は、「私が側にいてもあかねは絵を描けない」という思い込みに基づいており、元々は「あかねのため」であると考えられる。


「絵を描くのは諦めた」理由が「あかねのため」であれば、この思い込みから引き継がれたものであり、
結局やめてしまったんだ、と納得できるかもしれないが……


六花は去年までは絵を描いていたことに着目すると、
何か出来事がなければ「絵を描くのは諦めた」という示し方はしないだろう。




ここで関わってくるのが、あかねの「拒絶」だ。


あかねは『六花が美術室で絵を描くこと』にわだかまりを感じていた。

絵画教室で一緒に描いていた以前の雰囲気とは一変に、すれ違い後の絵を描かなくなってきた六花とは、
美術室に一緒に居ても居心地が悪くなっていったのだろう、と思われる。


つまり、あかねは
居心地が悪い状態にわだかまりを感じて六花に「拒絶した」のだといえる。





以上の条件を鑑みたうえ、
七瀬六花の解釈の流れをこのように考察した。



・あかねから拒絶された

・これ以上一緒に絵を描いていてもあかねのためにはならない

 ・あかねのために執着していたことなのに、
 あかねに拒絶されてしまっては、
 最早何のために絵を描いているのか分からなくなった

 ・絵を描くのを止めてしまえば、
 この自分が今抱えている絵を描く度に抱える重たい雰囲気を
 断ち切れるのかもしれない




 …と。

 こういった経緯なら、「そう決めたのは 私のため」という台詞に繋がってもおかしくないと考えられる。




 

(または、「あかねの絵を見たい、あかねが絵を描き続けていてほしい」という想いを「私のため」として捉えれば、

あかねにとってわだかまりとなっている自分は絵を描くことを諦めればいい、という思考を成立することができる。

しかし、「諦めた」という心情への結びつきが弱く、可能性は薄いと考えられる。)





つの考察をまとめると、



    高校に入ってから小梅先生のところだけではなく、高校の美術部でも絵を描いている理由

 ⇒美術部は元々部員が少なく、
 高校側からあかね達に美術部への入部を誘ってきた



    あかねが六花に拒絶した物事、またその理由

 絵を描かなくなってきた六花と居心地が悪い状態が続き、
 文化祭が終わった後の時期に、
 あかねは、六花が美術室で絵を描くこと拒絶した


   六花が『絵を描くのは諦めた』理由と、「そう決めたのは 私のため」の意味

 あかねに絵を描くことを拒絶されて、
 最早何のために絵を描いているのか分からなくなり、
 この重たい思いを断ち切るために絵を描くことをやめた







…と、このように結論付けてみたのですが、いかがだったでしょうか。


ん…いやなんか自分でまとめといてますますよく分からなくなってきたような気が……



六花とあかねの高校1年生でのエピソード。
すれ違いを増幅させていった過程としてどのような内容なのかめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、
きらら掲載時には最終回になっても判明されることはありませんでした。



実際の答えはおそらく2巻にて判明するでしょう!
と思いながら2巻を待ち続けて2か月が経ったのですが……




その前に!!!!!

 

先日行われたコミックマーケット97で若鶏にこみ先生と話した際、これら明らかになってない要素について尋ねたところ、

それら殆ど、

2巻に収録されているらしいです!!!!!!!!!

(若鶏にこみ先生にこの情報を公開していいか確認したところ、許可を貰えました。
 本当にありがとうございます





 さあてますます2巻が楽しみになってきました。

 てかもう発売までもあとわずかですよ。
 考察が的外れだったらこの記事、ただのミスリード人間の主張ってことになりますね()


これらの考察が当たっているかどうかはさておき、六花とあかねのすれ違いの導線が結び付けられる瞬間が、非常に、非常に楽しみであります。


 放課後すとりっぷ2巻…もうすぐです!



 まんがタイムきららweb 作品紹介ページ 放課後すとりっぷ 第2巻
 http://www.dokidokivisual.com/comics/book/index.php?cid=1574


 Amazon 放課後すとりっぷ 2巻(まんがタイムKRコミックス) 
 https://www.amazon.co.jp/放課後すとりっぷ-%EF%BC%92-まんがタイムKRコミックス-若鶏にこみ/dp/4832271547/ref=as_li_ss_tl?fst=as:off&qid=1577766107&refinements=p_n_publication_date:82839051,p_n_binding_browse-bin:86141051&s=books&sr=1-591&linkCode=sl1&tag=ama_cosme-22&linkId=b7c5df65da88ab5ca1d0ad61d02ec481&language=ja_JP


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